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つぶやき

「子供を怒っても言うことを聞かない」のは当たり前。子供が「言うことを聞く」にはどうしたらいいか考えてみた

Hello world!
あなたの心のおとなりさん、ニャムレット(@nyamletblog)です。

先日ツイッターで「3歳の子供が言うことを聞かないから自分も無視したら妻に怒られた」とボヤいていらしたパパさんをお見かけしました。
で、「こういう風景って日本ではよくあるよね」というようなことをおっしゃっていたのですが、たしかによくある風景だけどちょっと残念だな、と感じました。

子供が言うことを聞かないのは当然のことです。
子供のころは自分の希望だけを通すために生きていますから、子供が「自分にとってうれしいこと」じゃなければ言うことなんか聞きません。
むしろ、家庭内で聞き分けのいい子ってちょっと心配になってしまいます。

でも、わがまま放題で自分勝手、他人の言うことを聞かないような子供はしつけなきゃいけない。
世間一般的にはそう思われていますよね。
でもなんで、そういう子をしつけなきゃいけないんでしょう。
「他人のいうこと」って、子供はなんでも聞かなきゃいけないんでしょうか。
そもそも「しつけ」って、誰のためにするんでしょうか。

大人が子供と対峙するうえで勘違いしている(と個人的に思う)のは、「大人にとっての常識」「大人にとっての都合の良さ」を子供に押しつけているということです。
件のパパさんは、体調不良の奥様に子供が飛びついているのを見て「やめなさい」と怒ったら子供に無視された、ということでした。
これが悪いことではないと思うんです。
でもたぶん、悪くはないんだけれど、やりかたがうまくないなと思うんです。

うまくいかない叱りかた。「否定で叱る」「その場でしつけする」

子供が話を聞かない理由として考えられるのは「否定で叱る」ということです。
子供にもプライドや自尊心がありますから、自分の行動を否定されれば傷つきます。
上記の状況だと、大好きなママに飛びついたことを否定されているので、喜んで言うことを聞くだろうとは思えません。
子供は意地になってそれをやり続けようとします。
それを見て大人が怒り、負のループになっていくんですね。

このような場合、しかし放っておくわけにもいきません。
私だったら、問題の置き換えをします。
「ママが具合悪いのにそんな乱暴をしたらいけない」
という代わりに、もっと魅力的な代替案を提示します。
子供は大好きなママと遊びたいのに、それを禁止されるだけでは子供にとってメリットがひとつもありません。
だから、それをやめる代わりに同等かそれ以上の魅力的なことを提示するんです。
たとえば大好きな食べ物を出すとか、大好きなアニメを見せるとか、お出かけに誘うとか。
単純に問題のすり替えなんですが、その場面を乗り切るにはそれでいいと思っています。
とりあえずいま困っている状況を乗り越えればそれでいい。

おそらく、多くの保護者は子供が起こした問題行動について「その場でしつけする」ことが正しいと思っているのだろうと思います。
でも、それをやってうまくいけばいいんですが、たぶんうまくいかないと思います。
私もそれをやって全然うまくいかないクチでした。

当然ですが子供は生まれてから過ごしてきた時間が短いので、善悪の判断基準が蓄積されていません。
また、納得や理解の基準となる経験もありません。
だから、いけないことを指摘されても「あ、そうか」とは思いません。
大人なら指摘されて「そうか」と思うかもしれませんが、子供はただ自分を否定されただけと感じます。
だから「その場でしつけ」をしても、じつはほとんど効果がないんじゃないかなと思っています。

子供を叱る前にやるべきことがある

ではしつけをしなくていいのか、というわけではもちろんありません。
子供に「よくないこと」や「してほしいこと」を理解させるには、大人と同じようにしていてはうまくいかないです。
私は育児のプロではないので、あくまで我が家のケースになりますが、下記のことを毎日継続しています。

【子供から信頼される】
当たり前ですが、子供は信頼していない人の言うことは聞きません。
日頃から、子供に信頼されるように接しています。
具体的には
・うそをつかない
・子供の話を聞き洩らさない
・子供の希望を優先させる
・どんなことも真実を教える
・「あなたが大好き」「あなたが大切」ということをいつも言って聞かせる

というようなことです。

私はかなり親バカな部類に入ると思いますが、ニャ娘がかわいくてしかたないので一日に20回くらい「かわいいね~」「ニャ娘ちゃんはママの宝物だよ」みたいなことを言っています。
「あなたのことが大好きだよ」ということを、はっきりと言葉で伝えるように意識しています。
ニャ娘は言われすぎており、もはやたいして喜びもしません。笑
でも、圧倒的に母親である私のことが大好きで、信頼してくれていると思います。
とくに寝かしつけの時間はゆっくりできるので、「ニャ娘ちゃんはママの宝物」「ニャ娘ちゃんは世界中のどんな宝石よりも素晴らしい」と毎晩呪文のように聞かせています。
ニャ娘は異様に寝つきがいいので30秒くらいで寝てしまうんですが。笑

日常のなかで、自分を優先させてくれていると感じると、子供は安定します。
そして優先できない状況ではきちんと説明すれば理解してくれるようになります。
ふだんは子供を優先するようにしているので、それができない場合には状況を説明し、待ってもらう時間を具体的に話しておけば、いまは特別な事態だとわかってくれるようです。

よく見かけるのが、大人にとって望ましくない行動を子供がしたときだけ怒る保護者です。
でも、よく考えてみてほしいんです。
ふだんはそれほどかまってくれない、ほめてくれない大人に怒られるのって、子供にとっては「怒るだけの人」ですよね。
「怒るだけの人」を、あなたは好きになれますか?
そんな人の言うことを聞こうと思いますか?
子供から見て、自分が「怒るだけの人」になっていないかどうか、よく考えてみてください。

【いいこととよくないことを教えておく】
これも当然といえば当然ですが、善悪の概念は日頃から伝えるようにします。
自分が直面したときよりも俯瞰するほうがわかりやすいので、日常で見かけた場面や、物語を通して説明するのが話しやすいです。
たとえば、幼稚園や保育園でお友だちがけんかしたという話をしたら、〇〇ちゃんと××くんの両方の気持ちを一緒に考えてみたり、どうしたらよかったのかを考えてみる。
また、絵本などを通して登場人物の気持ちや行動を一緒に分析すると、他人の気持ちを知るよい機会になります。
「自分だったらどう思うか」と当事者の気持ちを想像させることで、いいこととよくないことを判断し理解できるようになっていきます。

【頼みごとや注意は大人のタイミングでしない】
我が家でニャム夫を見ているとよくわかるんですが、「大人のタイミング」で子供に指示を出しているんですね。
我が家ではニャム夫が料理担当なのですが、ニャム夫は料理ができた瞬間に「テレビを消しなさい」「テーブルの上を片付けて」とニャ娘に指示します。
でも、それでは遅いんですよね。
子供はテレビを見ていたら、突然消せと言われても「まだ見てる途中」と思います。
ですから、子供の様子を見て「そのお話が終わったらテレビを消そうね」「あと〇〇分したらテレビはおしまいにしようね」と事前に声をかけておけばすんなりと了承します。
料理しながら、あと10分で完成しそうという頃に「テーブルを片付けておいてね」と言えばスムーズに片付けられます。

先述のパパさんの場合だと、ママに飛びついているときに叱るから子供は反発するのだと思います。
体調不良は事前にわかっていることなので、その日の朝に「ママは今日、体がいたいいたいだから、やさしくしてあげようね」と子供にママの状態を話しておくのがベストだったんじゃないかな、と思います。
「そんなの見ればわかるだろう」とお思いになるかもしれませんが、たぶん子供は全然わかっていません。
だって自分は具合が悪くないのですから、他人の不調を想像するなんてことはできません。
そういう精神的な部分も含めて、大人のタイミングや常識を子供に当てはめようとするのはうまくいかないです。

【否定の言葉ではなく共感を促す言葉やお願いの言葉で話す】
「やめなさい」「ダメ」と言われると、いい気持ちがしません。
それよりも、子供に共感を促すほうが理解してもらいやすいです。
「ママは今日、おなかが痛いんだって。もし〇〇ちゃんがおなか痛いとき、背中にドーンって誰かが乗ったらどう思うかな? 苦しそうだよね?」
というように、自分が相手の立場だったらどう思うかを想像させたり、
「今日はママが病気だから、やさしくしてあげようね」
とお願いするほうが、子供は耳を傾けてくれます。

子供に怒るのは本当に子供のため?

大人が子供に怒るときはたいてい、自分のいらだちを子供にぶつけていることが多いのではないかなと感じます。
私自身もそうでした。
ただイライラするので、きつい口調になってしまう。
でも、面白いくらい、子供も鏡のように反応します。
大人が怒れば怒るほど、子供も荒れます。
そして、どなったりたたいたりして子供がいい方向に育つことはありません。

私はたたいたりしたことはありませんが、恥ずかしながらイライラして大声で怒ることは過去にありました。
ニャ娘は1歳半が反抗期のピークで、感情の起伏が激しく、本当にしんどい時期でした。
おそらく言葉で自分の希望を伝えられない苛立ちだったのだろうと思いますが、気に入らないことが起きた瞬間に大声で泣き叫び、道ばたにひっくり返っていました。
道ばたでひっくり返って泣き叫ぶニャ娘をどなりつけたい衝動を必死で抑え、かんしゃくがおさまるのを死んだ魚みたいな目で見ていました。笑

いま考えればわかるんですが、1歳半の子供に怒ったってわかるはずがないんですよね。
でも、精神的にかなりきつくて、ためこんだイライラをどなって爆発させてしまっていました。
幸いなことに、2歳になるとパッタリと反抗期がおさまり、会話のレベルもぐっと上がって、対話による問題解決ができるようになりました。
うんと小さいころは、なにを言っても理解できないので、命にかかわるようなこと以外はあまりこまごまと気にしないほうがいいかもしれません。
怒るよりも、一緒に楽しいことをたくさんするほうが、親も子も精神的に落ち着くのではないかと思います。

そして6歳になった現在、これまた親バカですが世界一よくできた娘に育ちました。
保育園では先生から「みなさーん!ニャ娘ちゃんを見習ってください!」と言われています。
正直、親の私もびっくりです。
お友だちのお母さんに「ニャ娘ちゃんはどう育てたんですか」と聞かれたことがあり、「しつけみたいなことは家庭でいっさいしていないんですけどね」と答えたら驚かれました。

実際、家庭内でしつけのようなことはしていません。
保育園では「子供の鑑」レベルですが、私からなにか言ったこともありません。
ニャ娘が自分で保育園の空気を察して、自分で判断してやっているようです。
我が家の通う園はややスパルタなので、先生が厳しいです。
入園したばかりのころは軍隊みたいだなと思っていました笑
そんななかで、「きちんとすること」「先生の言うことを聞く」ことにメリットがあると自分なりに解釈しているみたいです。
こういうのは子の性格にも拠るなぁと思います。
また、ニャ娘の特徴として、耳がいいようでもあります。
おそらくほかの子供よりも、単純に先生の声がよく聞こえているんじゃないかなと。
ものすごい地獄耳で家でも私たちの会話をすべて聞き取っていて、驚くほどその内容をよくおぼえています。
本当に子供の前で悪い話はできません(^_^;)

そんな優等生のニャ娘はしかし、家では殿様のように暮らしています。
6歳になってもソファに寝転がってごはんを食べさせてもらい(さすがに毎日ではありませんが)、自分のものをいっさい片付けず、洋服を脱いだら脱ぎっぱなし。
笑えるほど、家ではなにもしません。
とても「しつけのできていない子」ですが、外ではいい子として生きているので、「やらなければいけない場面」をわかっているのならいいかと思い、家では野生児のように過ごさせています。
園での様子をたまに見に行くと、いつも緊張しているのがわかります。
保育園であんなに「いい子」をがんばっているんだから、家くらいはのんびりさせてあげないとかわいそうで。
園での面談でも「家と園で切り替えをしているのは社会性が高いともいえるので、それでいいと思います」と先生におっしゃっていただきました。
幼稚園や保育園の先生は児童心理学を学んでいるので、そこは非常に信頼しています。

ニャ娘はものすごく負けず嫌いで頑固なため、気に入らないことがあれば10分でも20分でも怒り続けています。
そういうときは怒りを発散するまでじっと見ているか、そろそろいいかなと思うタイミングで気持ちが切り替わるようなことを持ち出したりしています。
とにかく憤りと不満を吐き出させ、少し落ち着いたタイミングを見計らって、なにが不満だったのかを言語化させます。
対話することでだんだんクールダウンしていくのと、言葉で伝わって納得すると気が済むようです。
また、ぐずぐずと泣き出したときはこれも気が済むまで泣かせます。
本人いわく「たくさん泣いてママにギューッてしてもらうのが気持ちいいんだよね」とのこと。
そういうわけで、「どうして泣いてるの」と聞くと「ただ泣きたいだけなの」と言うことが多く、そういうときはひざに座らせてギューッとしながら赤ちゃんのように背中をトントンしています。
泣いている子を泣き止ませようとする大人も多いですが、子供は泣くことで気持ちを切り替えているようなので、気が済むまで泣かせてあげるのもアリだと思いますよ。

私はご立派な人間でもないので、しつけなんかできません。
私にできることは子供に誠実でいることだけだと思って、真剣に向き合ってきました。
ただそれだけなんです。

しかしまだ6歳ですから、これからさきどうなるかはわかりません。
中学生くらいでグレたりするかもしれませんけどね。
そしたら私も一緒にグレようと思います(^o^)/