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つぶやき

「YouTube Premium」「YouTube Music」ってどういうサービスなのか調べてみました

Hello world!
あなたの心のおとなりさん、ニャムレット(@nyamletblog)です。

YouTubeが有料プランの「YouTube Premium」と「YouTube Music Premium」を日本でローンチしました。

有料プランの特長は

・広告なしで再生が可能
・動画を端末に一時ダウンロードすることでオフライン再生が可能
・ほかのアプリとの併用時や、画面オフ時でもバックグラウンド再生が可能

ということです。

これはかつて「YouTube Red」と呼ばれていた有料サービスで、「YouTube Premium」と改めてからアメリカでサービスが始まり、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、韓国などですでに提供されていました。
今回ようやく日本にもサービス提供と相成ったわけです。

apple musicやSpotifyとどう違うの?

この有料版で、私が「YouTube Music」に注目したのは
apple musicやSpotifyのようにコンテンツ拡充をするのか
という点でした。
これまでYouTubeはミュージックビデオないしライブ映像としての動画コンテンツを「音楽」として配信していましたが、MVやライブ映像だけだとシングル曲やアルバムリード曲しかありません。
そこでYouTubeでは「アートトラック」なる概念を作り出しました。
音源しかない楽曲に画像をつけて動画を作成し、それを「音楽コンテンツ」として配信するのです。
MVの制作は時間的にも金銭的にも労力を伴うため、アルバムすべての楽曲にビデオグラムを作成することは不可能です。
が、静止画像に音源をつけて動画にしてしまえばいいじゃないか。
という苦肉の策ですね。笑
日本ではあまり見かけませんが、海外のアーティストはよく制作しています。
この「アートトラック」で各レーベルがどの程度YouTube Musicにコンテンツを投下していくのかは注視したいところですね。

アートトラックとは
YouTubeヘルプ

しかし動画よりも音源を日常的に再生する者としては課金してまで利用する機会はないかな、という印象です。
動画として見たければ無料版(というかいまのYouTube)でも見られるし、アートトラックで動画を見たいとも思わないし、バックグラウンド再生だったらSpotifyでじゅうぶんだし。
ちなみに同じGoogle傘下で「Google Play Music」というサービスもありますが、将来的にYouTubeへ統合していくとのことです。

YouTube Premiumは革新的なサービスではない

ニュースとしては大きく取り上げられたものの、日本はいつもどおり周回遅れのサービス提供、そしてざっくり言えばYouTubeが作成したアプリのローンチということであって、革新的なサービスを立ち上げたわけではない印象です。

広告なしで連続再生できたり、一時ダウンロードによるオフライン再生が可能になったということですが、これも既存のYouTubeに新たなインターフェースを入れただけで、「新規サービス」といえるほどのものではありません。
むしろ、YouTubeって画面消したら止まるんだ・・・ということに果てしなくイケてなさを感じていたのですが、これの改善で課金かー、なんかセコいな、という印象です。
しかもこれらの機能はすでに無料でアプリがいくつも開発されており、目新しい機能ではありません。
ただ、こういったアプリはYouTubeの規約に反している可能性が高く、また収益化もできないため、黒に近いグレーなアプリである点も無視できませんが。

YouTubeは、Premium版で得た収益を視聴数によって権利者へ分配するビジネスモデルを導入するので、上記の既存アプリとは大きく働きが違ってきます。
しかしそれは権利者にとっての利益であって、ユーザーには関係のない話なんですけどね。

権利者の公式動画も二次利用の動画もごちゃまぜ

「YouTube Music」と大きく風呂敷を広げたわりに、私が「このサービスを利用しない」と思った一番の理由は
公式のミュージックビデオだけでなく、ユーザーがアップロードした動画も同じ楽曲としてくくられる
という点でした。

素人が人気楽曲を流して「歌ってみた」というアマチュア動画(UGC:ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)などもごちゃまぜにリストアップされてしまう。
これ、好き嫌いがはっきり分かれると思うのですが、私は公式しか見たくないので、ごちゃまぜなら見ません。
むしろ有料ならUGCを含まない検索ができるとかにしてほしい。

しかし、この「公式もUGCもごちゃまぜで配信する」というのが、既存の配信サービスと大きく異なる点であり、権利者にとって大きなビジネスチャンスになり得るのです。
個人的にはUGCを好みませんが、アマチュアによる動画を積極的に試聴するユーザーはむしろ多いですよね。
YouTubeはどんな人でも動画をアップロードできるプラットフォームなので、apple musicやSpotifyと違い、じつに様々なコンテンツを保有しています。
UGCは著作物を二次利用しているため、YouTubeの「Content ID」という仕組みにより、権利者へ収益が分配されるようになっています。

Content ID
YouTubeヘルプ

「歌ってみた」「弾いてみた」「踊ってみた」などのコンテンツもContent IDにより権利者へ分配されるため、視聴数が上がればそれだけ収益が見込めるということです。
ここがapple musicやSpotifyと大きく異なる点です。
権利者にとっては増益のチャンスがより広がりますね。

「YouTube Originals」という独自コンテンツが見られる

「YouTube Premium」の特筆すべき点は「YouTube Originals」が見られるということでしょうか。
これがかつて「YouTube Red」と呼ばれていたものですね。
YouTubeが制作するオリジナル番組ということで、HuluやNetflix、dTVといった動画配信サービスと肩を並べるべくGoogleが注力してきたオリジナルコンテンツ制作です。
しかしYouTubeのオリジナル番組は残念ながらあまり話題にならず、さらに2020年には現行のYouTubeと同じく広告つきで無料配信することが発表されているとのことです。

そうなると、「YouTube Premium」へ訴求する強力なフックとも言えなくなってしまいますね。

YouTube Premiumを利用する決め手とは

結局、一ヶ月に1000円前後を払って「オフライン再生」や「バックグラウンド再生」をしたいかどうか、というのが利用の決め手になりそうです。
「YouTube Music」に関してはアートトラックとしてMV以外の楽曲がどの程度投入されるのか、既存のサブスクリプションサービスには配信されていないアーティストが登場するかどうか、そのあたりで利用するかどうかを考えるかなと思っています。

動画は投入するタイミングがまちまちになりやすいため、音量デシベルが統一されていないイメージが強いです。
仕事しながらPCでYouTubeのミックスリストを流すことも多いのですが、楽曲によって音量がいきなり上がったりすると心臓に悪いので笑、デシベルを平均化するシステムとかが入っているといいんですが。

今後、日本のアーティストが「YouTube Music」に対してどのようにアプローチしていくのか、そこを注視していきたいと思っています。