BOOK

吉川英治の代表作にして金字塔。読書好きにはぜひ挑戦してほしい作品

新・平家物語

吉川英治:著

とにかく長大なストーリーで、読了した達成感だけで終わってしまう感が強いですが…
歴史上の豪傑がこれでもかと登場し、源平の盛衰がこの作品ですべてわかります。
義経の活躍が華々しく目立ちますが、その対極とも見える平清盛の泥臭さ、人間臭さが個人的には好ましく感じました。
文庫にして全20巻という壮大な構成ですが、物語の最後に登場するのは並み居る豪傑ではなく、いち庶民として時代を生き抜いた麻鳥という人物の平凡な情景で締めくくられており、その平凡な日常こそが幸福であると教えてくれます。
それにしても、義経という人物は「判官贔屓」と言う言葉もあるほど日本人に好まれる人でありますが、この物語でも非常に魅力ある才人として描かれています。
本当はどんな人物だったんだろう?
歴史上で会ってみたい人No.1です。
義経の物語は司馬遼太郎の「義経」がわかりやすく、面白くておすすめです。
(司馬作品はかなり創作が入っているので史実でないことも多々ありますが)

kindleでは全巻の合本が99円で販売しています。
さらにお得なのは「吉川英治全集・111作品⇒1冊」という合本です。
「三国志」「宮本武蔵」「私本太平記」「上杉謙信」などの代表作がギュッと入っています。
読んでも読んでも終わりません。