つぶやき

酒井駒子展へ行ってきました 小さな子供のころ「ビロードのうさぎ」が本物のうさぎになる瞬間をたしかに見た、あの感動が大人になってよみがえります

企画展示「みみをすますように 酒井駒子」展@PLAY!MUSEUM

Hello world!
あなたの心のおとなりさん、ニャムレット(@nyamletblog)です。

東京・立川駅そばにある「PLAY!MUSIUM」で絵本作家・版画家の酒井駒子さんの個展が開催されました。
絵本「ビロードのうさぎ」で子供のころから大好きだった駒子さんの絵。
大人になって個展へ行く機会を得られたことに感謝しつつ、うきうきと行ってきました。

酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読酒井駒子さんの個展のほか、「ぐりとぐら」常設展も同時開催しています

空いているだろうと思い平日の開館時間に合わせて行ってみると、10時の開館数分前には入り口で行列が。
朝イチで入ろうという同じ考えの方がけっこういらっしゃいました。
それでも待たされることなくスムーズに入館し、当日券で入場できました。
入場受付では「BとIとRとD」の挿絵が印刷されたA5サイズ程度のファイルが渡され、展示場内で4種類の紙を見つけるよう説明されます。
なんだか宝探しみたいでちょっとわくわくしますね。
小さなかわいらしいファイルを片手に、ゆったりとした展示を見て回ります。

酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読こんなふうに4種類の紙があちこちに置いてあります
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読原画が章ごとに展示されています
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読「金曜日の砂糖ちゃん」表紙
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読「草のオルガン」より
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読「赤い蝋燭と人魚」より 岩崎ちひろの絵本しか知りませんでしたが駒子さんの絵も素晴らしい。ぞっとするような美しさに目を奪われます
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読「ビロードのうさぎ」原画をじっくり見る機会を与えてもらって本当にうれしいです
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読 酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読 酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読 酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読
酒井駒子展 ニャムレットの晴耕雨読「BとIとRとD」より。ダンボールに直接描かれています

前回、「がまくんとかえるくん」展ではすべての展示作品が撮影OKだったのですが、今回の展示は半数以上が撮影不可となっていました。
「ビロードのうさぎ」は撮影OKでよかった・・・

撮影はできませんでしたが、展示されていたものを簡単にご紹介します。

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【3 こみち】
ここから撮影NG。
通路に大きなモニターが置かれ、落葉した森の中の映像が映し出されています。天井からは鳥のさえずりが小さく聞こえてきます。

・展示作品
「森のノート」
「アッシュブルーの帽子」(図録用描き下ろし作品)
「手に鳥を乗せている」(図録用描き下ろし作品)

【4 はらっぱ】
・展示作品
「くまとやまねこ」
「こりゃ まてまて」
「くさはら」
「きつねのかみさま」
「ゆきがやんだら」(大型モニターで上映)

【5 こども】
・展示作品
「リコちゃんのおうち」
「ぼく おかあさんのこと・・・」
「ロンパーちゃんとふうせん」
「ゆきがやんだら」
「ヨクネルとひな」
「しろうさぎとりんごの木」
「すやすや おやすみ」
「ねえさんといもうと」
「梨の子ペリーナ」
「みずゑ」
「こうちゃん」
「なきむしこぞう」

【6 くらやみ】
・展示作品
「夜と夜のあいだに」
「七夜物語」
「よるくま」
「よるくま クリスマスのまえのよる」

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駒子さんがこんなにたくさんの仕事をしていたとは知らず、初めて見る絵がたくさんありました。

「よるくま」が飾られているスペースは黒幕で囲ってあり、入っては行けないのかと思って通り過ぎてしまいました。
他の絵を遠くから見ようと思い2周したときに黒幕の張っていないところに気づき、「あれ?ここにも絵が展示されてるな」と初めて気づきました。あぶないあぶない。
「よるくま」はたくさんの人に愛されている絵本ですが、ここにはなんと駒子さんが鉛筆で描いた「ダミー本」なるものが展示されています。
本の制作前にイメージをつかむためでしょうか、白いコピー用紙のようなものを四切にしたてのひらくらいの紙に本文と挿絵が書かれ、セロテープでつなげて本の形にしてありました。
本文も手書きで、これは駒子さんの直筆なのかなと思いながらじっくり拝見しましたが、ふんわりしてちょっと丸っこい、とてもかわいらしい字でした。
原画の素晴らしさも堪能しましたが、このダミー本は絵本が生まれる瞬間を見せてもらったような感動をおぼえました。
駒子さんがお好きな方は絶対見たほうがいいです。
これ、ほしいー!と思いました。

絵本情報誌「MOE」では展示会に合わせて酒井駒子さんの特集を組んでいます。
付録の描き下ろしポストカードに釣られて購入しましたが、駒子さんインタビュー記事はもちろん、ちょっとしたQ&Aのひとことがとてもよかったです。
ご自身の絵本の思い出をひとこと解説したり、絵本作家になるまでのこと、子供のころの思い出など、駒子さんの人となりが頭の中で立ち上がってくるような、とてもいいテキストでした。
このインタビューを読んでから個展を見ると、また違ったものが見えてくるように思います。

展示を見終えてお楽しみのおみやげショップへ進むと、たくさんの人でひしめき合っていました。
おみやげ、欲しいですよねー。
私ももちろん買う気まんまんで行きました。
底にマチのあるトートバッグがあったら欲しいと思っていたのですが、マチなしのぺたんこバッグだったので残念ながら見送り。
ポストカードがたくさんあったので、大好きな絵を選んで購入しました。
みなさんも厳選に厳選を重ねているようで、ポストカードが並んだ壁に向かって無言の人の群れ・・・。
そして、今回のために作られた図録「みみをすますように」も購入しました。
が、しかし、これに関しては非常に残念なことがあったので小さな苦言を。
駒子さんのサイン入りの図録がいくつかの書店で販売されると当日発表があったようで、それを知らずに展示会場で買ってしまいました。
知っていたら当然サイン本が欲しいに決まっているのですが。。。
入場料を払って展示会場へ足を運んだ人にベネフィットがあってもいいのではないかと、こういうことに関してはもう少し来場者へ気配りが欲しかったと残念に思います。
サイン本も販売と同時に売り切れたようなので、購入できたかどうかはわかりませんが、決して安くはないお値段なのでファンにもう少しチャンスを与えて欲しかったなぁ。
うきうきして行っただけにショックも大きく。。。ブツブツ。
なんでみんな図録買わないのかなぁとちょっと不思議に思ってたんですよね。
ほんとに残念です。

最後の最後にがっくりと肩を落としましたが、もちろん展示は本当に素晴らしいです。

「ビロードのうさぎ」を読んで、ぼろぼろになったうさぎのぬいぐるみが本物のうさぎになる瞬間を、小さかったころの私はたしかに見ました。
毛が抜けてみすぼらしい姿だったうさぎが、やわらかくふわふわであたたかい生き物になり、飛び跳ねる姿をありありと見ることができました。
今回の展示で原画を見ることができたのを、小さい私に教えてあげたいと思いました。

平日は朝イチよりも、30分ほど遅れて入ったほうが人の流れが落ち着いているかもしれません。
連休中や会期終了間近は混み合うと思いますので、空いている時期を狙ってゆっくりじっくりと堪能されることをおすすめします。


絵本ナビでは「みみをすますように」図録のほか酒井駒子さんの著書や関連作品が揃っています

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