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なぞのじんぶつから「あるかないかわからないごちそう」を注文されたアッチ。みんなに「できるよ」って言っちゃったけど、どうやって作ればいいんだろう?

おばけのアッチのあるかないかわからないごちそう
角野栄子:作
佐々木洋子:絵
ポプラ社

おはなし

おばけのアッチは、ちいさなおばけのコックさん。
「おばけですから どんなごちそうでもつくりますよ。」と、いつもじまんしています。
すると、アッチにふしぎな手紙がとどきました。
なんだかちょっとこわい文字で、こんなことが書いてあります。

りょうりのてんさい アッチくん、

とくべつちゅうもんだよ、よろしく。

そのりょうりのなまえは、

《あるかないか、わからないごちそう》

さしだし人は、「なぞの じんぶつ」と書いてあります。
なぞのじんぶつって、だれだろう?
それに、《あるかないかわからないごちそう》って、いったいなんだろう??
エッちゃんや、のらねこのボン、ねずみのチとキに手紙を見せると、みんなは「アッチはなんでも作れるんだよね」って言いました。
そこでアッチはおもわず、できると言っちゃったんです。

でも、ほんとうは、そんなごちそう作れません。
だって、《あるかないかわからないごちそう》なんて、見たこともきいたこともないんですから。

どうしよう、どうしよう。
アッチはなきたくなって、このままそっとにげてしまおうか、とかんがえます。

ここがおすすめ

レストラン・ヒバリのコックさん、小さなおばけのアッチは、いままでいろんなお料理を作ってきました。
アッチの作るお料理はどれもちょっと風変わりで、だけどとってもおいしそう!
そんなアッチのところに、一通の手紙が届きます。
差出人は「森にすんでる なぞのじんぶつより」。
うわぁ、いかにもあやしいですね。笑

その「なぞのじんぶつ」は、アッチに料理を注文します。
料理の名前は《あるかないかわからないごちそう》。
この手紙を受け取ったアッチは、ちょっと困ってしまったんですね。
だから、なかよしのエッちゃんやボン、チとキに相談したのに、みんなが「アッチならできるよね」なんて言うから、ちょっと見栄を張ってしまったのです。
本当はそんな注文、断りたかったのに、見栄を張って「できるけどさ」なんて言っちゃった。
しかも、みんながすごいすごいとほめて、「できたら食べさせてね」とお願いまでするものだから、いよいよ引っ込みがつかなくなってしまうんです。

いっしょうけんめい《あるかないかわからないごちそう》を考えるけれど、全然思いつかない。
だんだんアッチは追い詰められて、約束の日、とうとう姿を消してしまうのです。

この物語を読みながら、アッチの困惑や不安、焦りがとてもよく伝わってきました。
シリーズのなかでも、ちょっと珍しいお話だなと思います。
子供が簡単に約束してしまって、あとで困ったり焦ったりする様子とまったく同じですね。
あんなこと言わなければよかった、そんなふうに思うことって、自分が子供のころにもあったように思います。
角野さんは本当によく子供を見ているなあ、と感心しました。

さて、アッチは逃げ出したくなって姿を消してしまうのですが、そのあとどうなったのかというと、もちろん起死回生のアイデアをひらめきます。
このお話は、ちょっとしたとんちが効いていて、そこがとてもユーモラスです。
我が家のニャ娘は読み終わったあと、「ママ、これ読んだほうがいいよ、絶対おもしろい」と太鼓判を押していました。
もっともニャ娘は「おばけのアッチ」シリーズは全部「絶対おもしろい」と言うのですが。笑
ちょっとした謎解き要素もあって、小学校での読み聞かせにもぴったりです。

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