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BOOK

世界中で愛される美しいにじいろの魚の絵本。ホログラフィックという特殊印刷と谷川俊太郎の訳がみどころ

にじいろのさかな
マーカス・フィクター:作・絵
谷川俊太郎:訳
講談社

おはなし

にじいろにかがやくうろこを持った、世界でいちばん美しいさかなは、いつもひとりぼっちだった。
ぼくはこんなにきれいなのに、どうしてだれにもすきになってもらえないんだ?

にじいろのさかなは、なやみをひとでにうちあけた。
するとひとでは、かしこいたこに聞いてみるといい、と言う。

にじいろのさかなはほらあなに住んでいるたこのところへ行ってみることにした。

ところがたこは、にじいろのさかなにおどろくようなことを言った。
ぼくのうろこをみんなにくれてやれだって?
とんでもない、うろこがなくて、どうやってしあわせになれるっていうんだ?

にじいろのさかなには、そんなことはできないと思った。
そこへ、ちいさなあおいさかながやってきて・・・

ここがおすすめ

世界中で大人気の、シリーズ化もしているたいへん有名な絵本です。

「にじいろのさかな」は、色とりどりのうろこを持つ、世界一美しい魚です。
赤や青、紫のうろこにまじって銀色に輝くうろこもちりばめられています。
主人公のにじうおは、この美しいうろこをたいへん誇りに思っているんですね。
それがほかの魚たちには近寄りがたい気位の高さと映ります。
そして、その素晴らしい銀のうろこを欲しがった小さな青い魚に、ひどいことを言って追い払います。
にじうおはみんなから怖がられ、敬遠されてしまうのです。

誰も寄りつかず、そっぽを向く魚たちを見て、にじうおはとても悲しみます。
けれども、自分が言ったひどい言葉にみんながおびえているということには気づかないんですね。
こういう人、大人でもいっぱいいますね。笑

きらきらのうろこを一枚ずつほかの魚にあげればいいと、かしこいたこは言います。
そしてにじうおは、美しいうろこを持っていても、ひとりぼっちでは意味がないのだと気づくのです。

銀のうろこをにじうおが分け与えて、ではほかの魚はにじうおになにをくれるのか?と考えるとなにもくれないので、大人の汚れた心で読むとちょっとモヤっとします。笑
でも、にじうおがうろこを分け与えるというのは、「きみたちと仲良しになりたいんだ」という強い気持ちなんですよね。
だから魚たちも、あの気位の高いにじうおが自分たちへ心を開いてくれたことに喜んでいるのだろうと思います。

にじうおはとても美しい銀のうろこを持っていますが、それを絵本で表現しているのがみどころでもあります。
ホログラフィックという特殊な印刷をほどこしてあるのですが、印刷料金が高くなってしまうため、絵本の価格も上がってしまうんだとか。
そこで編集者が安く印刷してくれる印刷所を探してきて、予算内に収まったんだそうです。

そしてもうひとつのみどころは谷川俊太郎さんの日本語訳ですね。
絵本というやさしいツールによって詩人の言葉に触れられる、絶好の機会です。
幼児期に美しい言語を見聞きするということはとても素晴らしいと思います。

さて、この絵本の作者であるマーカスさんが来日した際に、新宿紀伊國屋書店でぬりえのワークショップが行われました。
世界的ベストセラー絵本の作者に会えて、しかもワークショップを受けられるなんて!と飛びつき、ニャ娘と一緒にいそいそと行ってきました。
最新作「まけるのもだいじだよ にじいろのさかな」の発刊記念で来日されていたんですね。

マーカスさんが「にじいろのさかな」の制作についてお話ししてくださったあと、「にじいろのさかな」のぬりえが配られ、それぞれに色を塗ったものをマーカスさんがひとつずつ見てくれるというものでした。
ニャ娘はウキウキと自由気ままに塗りまくり、魚を水玉模様にしたりして、それをマーカスさんにほめられていました笑

マーカスさんはとてもやさしいおじさんで、そしてめちゃくちゃ背の高い方でした。
子供たちの絵をニコニコとながめていて、とてもうれしそうだったのが印象に残っています。

もしかしたらと思ってカメラを持っていったところ、一緒に記念撮影してくださるとのことで、ヤッター\(^o^)/と喜び勇んで撮っていただきました。
出版社の方が「よかったらお母さんもご一緒に」とお気遣いくださり、内心小躍りしながらちゃっかり私も一緒に撮影してもらいました(^^)

購入した絵本にニャ娘の名前とサインもしてくださって、とってもいい思い出になりました。

にじいろのさかな ニャムレットの晴耕雨読親の私が一番ウキウキしています笑
にじいろのさかな ニャムレットの晴耕雨読マーカスさんのサインとニャ娘の名前も書いてくださいました


絵本ナビで数ページためし読みができます

にじいろのさかな
マーカス・フィクター:作・絵
谷川俊太郎:訳
講談社

幼児教育を受け始め、集団生活を始める4歳ごろから読んであげるのがおすすめですが、この絵本の特長である美しい絵は子供の目を引きます。
そこで、小さな子供には「にじいろのさかな めいろえほん」もおすすめです。
絵本のメインキャラクターたちが登場し、いろいろなめいろで遊べます。

絵本総合サイト「絵本ナビ」では、マーカス・フィクターさんのインタビュー記事も掲載されています。
マーカスさんのお人柄がよくわかる、とてもよい記事ですよ。