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BOOK

「小さなおばけシリーズ」40周年を締めくくる最新刊は暑い暑い夏のおはなし。おばけのアッチ・ドッチと一緒に冷たくてシュワシュワのフルーツポンチを作ろう!

アッチとドッチのフルーツポンチ
角野栄子:作
佐々木洋子:絵
ポプラ社

おはなし

まいにちまいにち、あつい日がつづきます。
あんまりあつくて、アッチがコックさんをしている「レストラン ヒバリ」には、おきゃくさんが来てくれません。
のらねこのボンも、ドラキュラのドララちゃんも、ねずみのチとキも来てくれません。
アッチもあつくてあつくて、レストランのまえのベンチでダラーンとしていると、なにかがおっこちてきたからびっくり!
それは、森のおくにすんでいる小さなおばけのドッチでした。
アッチにあいたくてとんできたけれど、あんまりあついのでクラクラしておっこちてしまったのです。
アッチはドッチにつめたいソーダ水をのませました。
シュワシュワのソーダ水をのんで、ドッチはすっかりげんきになりました。

「そうだ、さっぱりつめたいフルーツポンチをつくろう!」
アッチはれいぞうこからくだものをもってきました。
するとドッチが「ぼくにもやらせて、おにいちゃん」といってとびはねます。
しかたなく、アッチはくだもののはしっこを切ってドッチにわたしました。
ドッチはにぎやかなうたごえでうたいながら、たのしそうにつくっています。

「できた!」
ドッチがさけびました。
アッチがふりむくと、ドッチがいません。
テーブルの上には、くだものでできた小さなおしろがありました。
ドッチはどこへいってしまったのでしょう?
「まさか、このおしろのなか?」
アッチは小さなおしろの小さなまどをのぞいてみました。
すると、なかからすずしくて、あまいにおいのかぜがふいてきたのです。
アッチはおばけですから、小さくなることができます。
さっそく小さなすがたになって、小さなおしろの小さなまどからとびこみました。
するとそこには、王子みたいなかっこうのドッチと、王女さまみたいなかっこうのドララちゃん、そしてへいたいみたいなボンとチとキがいるではありませんか。
アッチはそのふしぎなおしろで、フルーツポンチをつくることになりました。

ここがおすすめ

「アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ」シリーズ刊行40周年の記念に発刊されました。
暑い暑い真夏に刊行されたので、冷たくてあまーいフルーツポンチのおはなしが登場しました。
近年の酷暑を憂うようでもあり、その酷暑を乗り切るための楽しい物語でもあります。

ドッチは小さな小さなおばけで、アッチを「おにいちゃん」と呼ぶかわいいおばけです。
そんなドッチも、「おうちのママが暑さでダラーンとしていて、ダラーンおばけになっちゃうよ」と心配そう。
この暑さを乗り切ろうと、アッチはフルーツポンチを作ることを思いつきますが、なんでもやりたがり屋さんのドッチはもちろん「やらせて、やらせて」って言うわけです。
でも、果物をナイフで切るくらいだったら、小さな子でもできそうですね。
この絵本にはフルーツポンチの作り方が書いてあるので、お子さんと一緒に読みながら、フルーツポンチも一緒に作ってみるとますます楽しめそうです。

それにしても、アッチの作るフルーツポンチのおいしそうなこと!
レモンとはちみつに、ソーダ水をシュワシュワとかけて・・・
やってみたいね!とニャ娘とふたりで盛り上がっていると、横からニャム夫が「はちみつは水じゃ溶けないよ」とボソリ。
夢のないこと言うなあ。笑
でも、たしかにはちみつはソーダ水には溶けないので、缶詰のフルーツを使って、残った缶詰のシロップとソーダ水をまぜてもいいですね。
このアイデアはもちろん私ではなく、料理担当のニャム夫のアイデアです。

シリーズ40周年を記念して、横山だいすけさん主演のリーディングミュージカル上演も決定しました。
スクリーンにはアッチたちの映像が流れ、舞台上で語り部たちが朗読をし、楽器奏者たちが生演奏を聴かせるという、豪華なステージです。
原作のエピソードはもちろん、このステージのために書き下ろされたオリジナルストーリーもあるそうです。

おばけのアッチ リーディングミュージカル

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