知る人ぞ知る名物ライブ「ホフディラン 春のベースまつり」。
ホフディランがさまざまなベーシストをゲストに招いてライブを開催するという異色企画で、今回で7回目となりました。
ここでホフディランを簡単にご説明しますと、ギターボーカル・ワタナベイビーとキーボードボーカル・小宮山雄飛の二人組バンドです。
ホフディランはメンバーが二人なのでライブにはドラムのタナカゲンショーさん、ギターのホリウチジュンヤさん、そしてベースのキタダマキさんがサポートで入るのですが、キタダマキさんのスケジュールが合わず、ベーシスト不在のためいろんなバンドのベーシストをゲストとしてホフディランの曲を演奏してもらおうというのが始まりでした。
まさか7年も続くとはファンも想像していなかったという長寿企画です。
今回のベースまつりにはスピッツのベース田村くんが初出演。
スピッツもホフディランも大好きな私にとって、盆と正月がいっぺんに来ちゃったくらいの大イベントです。
田村くんが出演すると発表になったのがホフディランのワンマンライブでのMCで、ちょうどその日は物販の横に立っていた私と友人。
当然のごとくチケットを購入し1番2番をゲットしました(^^b
さて、会場の新代田FEVERに到着すると、スピッツのTシャツ、スピッツのTシャツ、スピッツのTシャツ、ホフディランのTシャツにスピッツのTシャツ。
チケットがかなり早い段階でソールドアウトしていたのは知っていましたが、本当にスピッツファンが来たんだ!
まさか田村くんのためだけにこのライブに来ているのか?
ホフの曲知ってるのかな?
などやや当惑ぎみの気持ちで開場を待ち(ちなみに私もスピッツのTシャツだったんですが汗)、1番と2番で入場しました。
当然ですが1番に入場なので会場には誰もいません。
からっぽのライブハウスに1番乗りってなかなか気持ちいいです(^^♪
ど真ん中の最前列でわくわくしながら待っていると、メンバーが登場してライブスタート!
ベースまつりのトップバッターはワタナベイビー。
ええ?ベイビーがベースまつりに??と思いますが、毎年トップバッターはベイビーがベースを弾くということになっています笑。
「これから本物のベーシストが登場しますから、こんなもんじゃないですよ」と、これから登場するベーシストたちにプレッシャーをかけまくるベイビーとユウヒ。
実際、他人の楽曲を完全アウェイで演奏し、さらにベーシストが何人も登場するこのライブって、ベーシストの品評会みたいで、かなり熾烈な環境なのでは・・・と思ったりしました。
でもいろんなバンドのベーシストがみんな出たがり、ベイビーやユウヒに会うと「ベースまつり出たいです!」「なんで呼んでくれないんですか!」とひっきりなしに言われるというレアなライブ。
音楽業界のかたすみでひっそりとやっているけれど「一見さんお断り」みたいな、敷居が低いんだか高いんだかよくわからないライブです。
ホフディランのすごいところって、「なんかよくわからないけれど意外と業界のコアなところを担っている」ってことだと思います。
お茶の間的には全然、エグ××ルとかジャ××ズみたいな認知度ほぼゼロなんですが(失礼!)、よくわからないけどあちこちで愛されてるっていう、とっても不思議なバンドです。
さて、ここから本物のゲストが登場してきます。
まずトップバッタ・・・ではなく(トップはベイビーなので笑)二番目に登場したのはSCOOBIE DOのナガイケジョーさん。
なんだか上品でかわいらしい感じの方です。
なんと5年も前からベースまつりに出たいと申告していたそうで、5年越しの念願叶っての登場とのことです。
SCOOBIE DOのMOBYさんがタナカゲンショーさんと同じ野球チームだそうで、ユウヒは早朝の渋谷でMOBYとばったり会うことがあるそうなんですが、ユウヒいわく「アフロ頭で背中にバットを差した人が自転車で向こうから走ってくるとオニにしか見えない」と笑
「あれ怖いからやめてってMOBYに言っといてくれない?」とジョーさんに頼んでいました。
ジョーさんの演奏曲は「遠距離恋愛は続く」と「LOW POWER」でした。
続いて三番目のゲストはSundayカミデさん。
ホフとトモフスキーがコラボしたネコTシャツを着て登場です。
「気を遣ってくれてる」(ベイビー談)
「このTシャツ、XLサイズがすごい余ってるらしくて。物販で売ってますからみなさんどうぞ」(Sundayカミデ)
カミデさんいい人です笑
前回のベースまつりにも出演していて、そのときはものすごい緊張で「オエッってなりました」ということですが
「今回は二度目なんで前回よりは緊張しないかなって思ってたんですけど、やっぱダメでした。すごいオエッってなりました」
だそうです笑
「オエッ」って笑
やっぱり緊張するんですね。
そりゃそうでしょうね。
完全アウェイでさらにものすごい大御所も一緒に出てるんですもんね。
そんなカミデさんは「summer time POP!」「ニューピース」をプレイ。
元の曲はソフトなポップソングなのですが、ベースが変わるだけでこんなにロックになるんだなあと驚くほど。
さすがプロ!(当たり前か)
めっちゃかっこよかったです。
さわやかでキュートなふたりのゲストが終わったところで、ベースまつり2回目の出演となる大御所、寺岡呼人さんが登場。
呼人さん、ニコニコと穏やかな雰囲気でオトナって感じなのですが、ワタナベイビーと同い年ということで、並んだふたりを見て「先生と生徒みたいだなあ」と思ってしまいました(呼人先生とベイビー生徒)。
ひたすら年齢の話をするベイビーに「それ去年とまったく同じ話だよね」とニコニコ顔で突っ込む呼人さん笑
ホフがアルバム『帰ってきたホフディラン』をリリースしたときに呼人さんのラジオにゲスト出演し、そこで呼人さんがアルバムについていろいろと語ってくれたことがとてもうれしかったそうです。
アルバムの細かい感想を話す呼人さんを見て「こんなに聴き込んでくれてるんだ」と感激したと。
やっぱり名プロデューサーというのは、どんな音楽もとことん追求する人なんだなあと思いました。
呼人さんと演奏するのは忌野清志郎さんとワタナベイビーの共作「坂道」。
しっとりした楽曲に呼人さんの落ち着いたベースが心地いい演奏でした。
もう一曲は「愛し合って世界は回る」を披露。
こちらも呼人さんのベースがみごとにハマってました。
呼人さんのベースって強烈な自己主張とか俺様ワールドといったものがまったくなく、それでいてバンドと演奏するベース音はそれが楽曲にとってのマスターピースのようにぴったりとはまり、曲をパーフェクトに仕上げる魔法のパーツみたいでした。
プレイヤーとしてだけでなくプロデュース業をしている人の演奏って本当に質が高いんですねえ。
惚れ惚れする音でした。
さて、お次はベースまつりではおなじみとなったあの人が登場です。
the HIATUSとRadio Carolineのウエノコウジさん!
登場した瞬間、フロアからは黄色い歓声が・・・
私も思わずキャーと叫んでしまいました。
なにしろステージがめっちゃ低いFEVERの最前列なので、本当に目の前にスターがいるんですよ。
あんなかっこいい人見たことないわ。
スピッツの「恋する凡人」じゃないですが、「君みたいなかっこいい人に生まれて初めて出会って」って思いました。
だってあのデザートブーツ!(なんのこっちゃですね笑)
私もデザートブーツ買う!って思いました(いや真似しても似ないですけどね)。
缶ビールを片手にさわやかな笑顔・・・
いやもうかっこよかったー。
そんな大御所のウエノさん、なななんと出番の10分前に到着されたそうです。笑
本当にお忙しいなかを縫って出演したとのことで、リハーサルなしでの本番。
その場で自分でサウンドチェックしてました。
レアすぎる光景でした。
そしてビールの缶を床に置いてさっそく演奏スタート。
・・・おや?
始まった曲は「サッポロちゃん」なのですが、床に置かれた缶ビールにはSAPPOROの星ロゴが。
思わず指差すと、ユウヒも気づいたようで演奏終了後に「もしかしてこのために用意したんですか?」
「楽屋の冷蔵庫にビール用意してくれてるの知ってるんだけどさ」と笑いながら「わざわざとなりのファミマで買ってきたんだよ」と。
ウエノさん芸が細かい・・・!
FEVERのとなりのファミマってスター出現率高いですよね笑
ウエノさんがベースまつりに出演するときはいつも「サッポロちゃん」が担当曲だそうで、「なんでオレいつもこの曲なの?」とおっしゃってました。
ホフディランいわく「あの極悪ベースでこの曲をやるのがいい」んだそうです。
2曲目は「ドライブ」。
爽やかなポップソングもウエノさんの手にかかるとあっというまにロックンロール!
ベースってすごいですね。
そしてついにみなさんお待ちかねの人が登場。
スピッツのベーシストでリーダーの田村昭浩氏です!
呼びこまれてステージに現れると、スピッツTシャツのお客さんが大騒ぎ。
とはいえホフディランのライブ、お客さんはとってもおっとりしているのでフロアがギューッと詰められたりしないんですよね。
ホフのライブではわりとしょっちゅう最前列に行ってるんですが、時々「あれ?後ろ誰もいない?」って心配になります。笑
ライブ初心者にはホフのライブ、オススメです笑
田村くんはスピッツ以外のバンドにゲストとして出たことがほとんどないとのことで、いつものニコニコ顔ながらちょっぴり緊張した様子でした。
ホフとスピッツの共演というのは一度だけあったそうで、十数年前に名古屋のイベントで一緒だったという思い出話をしたり、ユウヒが三軒茶屋の焼き鳥屋さんに入ったらレジの前にスピッツのサインが飾ってあったという話が飛び出したり。
そのサインを見て「スピッツってサインも全員なんだ!」ってユウヒが変なところで感心していました。
スピッツはバンドなので個人のアー写はないそうで、今回ベースまつりの告知をするときにもアー写は4人揃ったものを指定されたんだそうです。
「これスピッツ全員出るって勘違いするファンの人いそうだよね」って前回のライブで言っていましたが、本当に勘違いした人いたのかな・・・
そんな田村くんの演奏曲は「恋はいつも幻のように」と「はじまりの恋」。
「恋まぼ」(とファンは略します)のど真ん中名曲もアガりましたが、私は「はじまりの恋」が大好きな曲なのでものすごくうれしかったです。
MCのときには借りてきた猫っぽい田村くんでしたが、「はじまりの恋」では田村節炸裂でベースをスピーカーにゴリゴリしたりグルグル回転したり、この狭いFEVERでいつもみたいにベース投げるんじゃないかと少々ひやひやしました。笑
田村くんが無事退場(笑)したあとは、ベースまつりに欠かせないあの人のお出ましです。
言わずと知れたフラワーカンパニーズのグレートマエカワさんが満を持して登場。
ベースまつりの存続はすべてこの人にかかっていて、マエカワさんが次回の開催を決定しているという謎のキーパーソンです笑
ベースまつりの日程を決めるときはマエカワさんのスケジュールをチェックして、フラカンのライブが入ってないところを探すそうです。
「だからいつも月曜日とか平日になっちゃうんだよ」と言われてゴメンゴメンと笑うマエカワ氏でした。
この日もベースまつりの次回開催についての話題になり、「次のベースまつりはステージにベース5本くらい用意して、くじ引きでどのベースを弾くかその場で決めるっていうのやろうよって楽屋で話してたんだ」とさっそく企画案をプレゼンするマエカワさん。
その場でお客さんの拍手とともに第8回ベースまつりの開催が決定しました笑
ほんとにノリだけでやってるなあ・・・
もともと初回のベースまつりはキタダマキ氏不在で苦肉の策として開催されたわけですが、マエカワさんが「この企画は続けたほうがいいよ!」と強く勧めて、そのあと7年も続いちゃったという企画なんですよね。
そんなわけでベースまつりの企画者はマエカワさんなのです。
演奏曲はホフのライブでもお久しぶりの「FLOWER」と、ゴリゴリのベイビー流ロック「Baby’s Song」を披露してくれました。
マエカワさんはスピッツのファンクラブ会報誌で田村くんと一緒に「低音さんいらっしゃい」という連載をやっていて、そこで田村くんはベースまつりのことを知ったのだと思われます。
あんなに楽しそうにベース弾いてたら、みんな一緒にやりたいって思っちゃいますよね。
ベースを弾きながらピカピカの笑顔を見せてくれたマエカワさんです。
これだけ豪華なゲストが次々に登場したステージで、トリはOKAMOTO’Sのハマ・オカモト氏。
出てくるなり渋い顔で「この出順おかしいですよね」と二回言ってました。笑
ベースまつりはいつも緊張しちゃうので今回はわりと早めに出させてもらって、あとは大御所のみなさんのベースを楽しみながらゆっくりビールでも飲もうと思ってたのに。
と怒ってました笑
でもほんとにハマくんのベース、ものすごくうまかったです。
いろんなベーシストが出てきていろんなプレイを見せてくれましたが、この人は本当にうまいんだなーって目が釘付けでした。
選曲は「ハマくん世代のホフディランといえばこの曲だそうです」とユウヒが紹介した「コジコジ銀座」。
へーそうなんだ、それかなり若いよね・・・と思った私です笑
続いてこれもお久しぶりの「HAPPY」。
「HAPPY」の楽曲を支える枠組は分厚い低音なのでハマくんのベースがガッチリ決まってました。
「コジコジ銀座」もあのキュートな世界がこうなるか!というロックな変貌を遂げ、よく知っている人の新しい一面を見てドキドキするようなトキメキをおぼえました。
緊張する緊張すると言いながらも、じつはこの日一番盛り上げた功労者じゃないかな?
ハマくんかっこよかったです!
すべてのベーシストの演奏が終わり、アンコールでは全員がステージに登場して「ホフディランのテーマ」を披露。
若者ベーシストたちはマエカワさんのプレイをここぞとばかりにかぶりついて見てました。笑
かたや大御所チームはステージの後方やはじっこでかわいらしく微笑みながらたたずんでいて、そのひっそりとした感じがまたかわいくて萌えました。キュン。
なにもかもがパーフェクトで素晴らしい夜でした。
毎回思うことですが、ホフディランのライブって本当に本当に楽しくってしかたありません。
ライブが終わったあと、どうして足じゃなくほっぺたが筋肉痛なんだろうって思います笑
そしていつも、生きててよかったなって心から思います。
ベイビーとユウヒにありがとうって伝えたい。
あんなに楽しいことって人生でなかなかないですよ。
よかったらあなたも遊びにおいでませ。
ベースまつりが終わってしまってぼんやりしていたら、ユウヒもTwitterでつぶやいてました。
ベースまつり、来てくれた皆様ありがとう。20年以上音楽をやっていると、みんな紆余曲折あるわけで、でもこうやってホフのステージにフラカンとミッシェルとスクービーとジュンスカとスピッツとオカモトズとサンデーくんが集まって一緒に音を奏でる日が来るなんて、やっぱり音楽ってすごいなって。 pic.twitter.com/7cPWW5QIqh
— ふたたび帰ってくる小宮山雄飛 (@yuhikomiyama) May 15, 2018
蛇足ですがウエノコウジさんでネットを見ていたらストレイテナーのホリエアツシくんとの対談記事を発見しました。
ELLEGARDENの細美武士くんとウエノさんが出会ってthe HIATUSが結成されたとか、胸アツなお話をされてます。
しかしホリエくんの人脈ってすごいなあ。
やっぱり誰にでも好かれるあの天才的なかわいらしさが武器なんでしょうか。
なかなかオススメの記事ですよ。