ジョン・レノン対火星人
高橋源一郎:著
講談社
一言で言うと、私はポストモダンが得意ではないので、しまったと思いました。
ですが、強いて言うならば、世の中のあらゆる文学をこねて丸めて衣をつけてジューッと揚げたメンチカツみたいな、とにかくすごい小説なんだと思います。
高橋源一郎さんの脳内にある書庫ってすごいんだろうな。
高橋源一郎さんは、東日本大震災のときにかなりの額を寄付されていて、その思い切りのよさに驚いた記憶が強く残っています。
「高橋源一郎 祝辞 ツイッター」で検索するとすぐヒットしますが、読むと心を打たれます。
私はリアルタイムで見ていましたが、当時の寒々しい日々のなか、温かいスープを受け取ったような、ほっとした気持ちになりました。
やさしい人だな、と思いました。
蛇足ですが、本書を真面目に説明すると、服を着たナンセンスがおしゃべりしているみたいな内容です。
慣れると意外に笑えます。
ここに意味を見出そうとすると、読了できないかもしれません。
もっと賢い人が論評すると、全然違うものになるのかもしれませんが。