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MUSIC

Children who don’t know how to dive

Hello world!
あなたの心のおとなりさん、ニャムレット(@nyamletblog)です。

エルレばっかり聴いていたころ、英語がちょっとでもわかったらいいなーと思って英会話教室に通っていたことがありました。
耳で聞いていた発音でしゃべっていたら、「その発音違うよー」と先生に直されることがたまにあって、アメリカの英語とイギリスの英語って違うんだと驚いた思い出があります。
シェーンイングリッシュスクールで駅前留学していましたが、先生とプライベートで遊びに行ってもいいというユルいスクールで、一緒に習っていた友人と先生とで飲みに行ったりしてすごく楽しかったです。
イギリスと日本の違いとか(日本はボロい家も豪邸も一緒に並んでるでしょ?だから電車から街並みを見るのが楽しくて飽きないんだと言っていました)、いろんなことを教えてもらいました。
スクールで勉強するより、飲みに行ってイギリスの話を聞かせてもらうほうが断然面白かった。

また勉強したいなあ。
もうすっかり忘れました。なにもかも。
2年くらい通ったのにお金もったいない笑

現在の通勤のお供はカズオ・イシグロの「日の名残り」です。
めでたくノーベル賞を受賞しましたが、彼の小説の素晴らしさは文章の美しさにあります。
この本では、イギリス人の執事が初めて長い休暇をもらい、旅をしながら自身の半生を振り返るのですが、その描写と情景が大変美しく心が洗われるようです。

彼の回想を読んでいるうちに、私も遠い思い出がよみがえってきました。

私が初めてエルレのライブを見たのは、渋谷タワーレコードの地下1階で行われた『Pepperoni Quattro』リリースイベントです。
エルレの知識ゼロでプラッと行ったので、そこで初めてモッシュを見て「わああなにこれ」と思いました。
どっちかというとシューゲイザー寄りのバンドを多く聴いていたので、モッシュもダイブも見たことがありませんでした。
たぶんモッシュとか好きじゃないタイプだと自分では思うんですが、なぜだかエルレのライブを見て、なんでこの人たちこんなに楽しそうなんだろう?って思って、私もこのなかに入りたいなって思いました。

それからすぐにエルレのライブチケットを買って、あんまりよく知らない女の子と一緒に行きました。
ガンガン前進する女の子に引っ張られて前から3列目くらいに行って、ギューッと押されて足が床につかないという金曜日の中央線新宿発下り最終電車的体験もしました。
マジで足が浮いてウケました。

エルレのBBSを見つけて、あの楽しそうな人たちを発見しました。
いろんなライブでいろんな友だちができて、どのライブハウスに行ってもいつも友だちと一緒にライブを見ました。

恋人を振って落ち込んでいたときも(自分で振っておいて落ち込むのもアレですがw)、仕事で悩んでいたときも、ライブハウスに行けば友だちがいて笑ってくれた。
モッシュのなかにいて、轟音のなかにいて、目の前にはいつも笑顔があった。
「Missing」を聴いているときに思わず泣いて、優しく肩をたたいてもらった。
転んだ子がいれば手を差し伸べて、靴ひもがほどけた子がいたら潰されないように囲んで壁を作った。
知らない子も友だちも、フロアにいればすぐ仲良くなれた。
ダイブする友だちの荷物を預かって(と言ってもチケットの半券とロッカーの鍵w)、飛んでいく友だちに笑って手を振った。
きれいに飛ぶ友だちの背中を見ながら、うまく波に乗るもんだなといつも感心していた。

モッシュもダイブも知らなかった私は、エルレのライブでいろんなことを知りました。
靴を脱いでダイブする礼儀正しい人もいたし、発射台になってダイバーをポンポン投げ飛ばす有名な人もいました。
ステージを見るより、フロアにいるお客さんを見ていることのほうが多かったかも。

昨日、久しぶりにエルレのライブDVDを見て、こんな感じだったかなあって、半分懐かしくて、半分思い出せませんでした。
10年前の新木場のライブで、私はチケットを取れなくて行かれなかったので、なんだかちょっとさみしい気持ちになりました。

ELLEGARDEN LIVE
2008.09.07 STUDIO COAST

復活ライブではダイブ禁止なのかな。
私が見てきたライブでは、飛ぶのが上手なダイバーが多かったし、下手なヤツはすぐに引きずり落とされていたし、こういう言い方は語弊があるかもしれないけれど、フロアにいる人間がその場の空気を把握してそれぞれに対応していたように思います。
ダイバーを支えるのがキツくなったら後ろに下がったり、お気に入りの曲では「おお、ちょっくら前行くわ」みたいに動いたり。
でも、だんだん「オレもアタシも」みたいにダイバー人口が増えて、支える人のほうが少なくなってきて、途中でみんな落っこちてたような記憶もあるので、なんとなく復活ライブでもそうなりそうな予感がします。

私の思い出はたぶん、まだダイバーがそんなに多くなくてのんびりしていて、暗黙のルールみたいなのが成り立つぎりぎりの時代だったのかもしれません。
いまは「ダイブとはこういうものだ」とか能書きを垂れても、馬耳東風でしょうかね。
支えてくれている人がいるから自分は飛べるんだってこと、そんなのはいちいち教えることじゃないと思うけど、最近のニュースを見ているといまの子供たちはダイブのやりかたを知らないのかなって思ってしまいます。

渋谷クアトロでピロウズと一緒にカウントダウンして、トリのエルレで友だちがダイブしたときの光景がいまも私の目の奥に残っていて、まるでベルトコンベアーで運ばれる荷物みたいに(笑)整然と美しく流されていたのを思い出せます。
カズオ・イシグロみたいに叙情的な表現を考えてみたけどベルトコンベアーが一番しっくりくる表現でしたw

私がエルレを大好きで、欠かさずライブに行っていたのは、友だちがそこにいたからかもしれません。
私にとってエルレはただのバンドではなく、大切な仲間とのつながりでした。
たぶん細美くんやエルレのメンバーにも大切な仲間がたくさんいて、復活の理由の一端は仲間たちの強い勧めがあったからだろうと思います。
たまたまONE OK ROCKがトリガーになった形なのでしょうが、きっと10年の間一緒に過ごしてきた仲間たちがELLEGARDENというものを大切につなぎとめてきたんだろうと思います。

私は変わり者で、人とつるむのがきらいで、仲間仲間って言ってる人がうっとうしいと思っていました(スイマセン笑)。
でも、同じものが好きで、一緒にいるだけで笑えて、楽しい!って思う瞬間を誰かと分かち合える喜びを、私はエルレに教えてもらいました。
だから、エルレも復活ライブで仲間と一緒に大騒ぎしたかったんじゃないかな。

休日が終わり
僕らはみんな家に帰る
ここに残る理由もないのに
誰も動こうとはしない

僕らが当たり前に知っていること
いつまでも続くものなんてない
だけどあまりにも多くのものが
早すぎる終わりを迎える

願い事をしようぜ
簡単なやつを
君が一人きりじゃなくて
そばに誰かがいて手を握ってくれるように

願い事をしようぜ
君が無事で
悲しませるものもなくて
そばに誰かがいて抱き締めてくれるように